連載「家庭内暴力」
同じ家庭内暴力の経験を持つシューレの親ゼミのOBのMさんの言葉、「自分が一番わかってほしい人に、一番強くあたるのよ」は、強く心に届いた。私は、息子の苦しさを受けとめることより、自分がこの状況から早く抜け出したいだけだったのかもしれない。息子は、自分の気持ちを家族にも理解してもらえず、孤独感でいっぱいだったと思う。
翌日、中学校へは、「医療機関と連絡をとり対処します」と返事をした。しかし、ある病院では、「入院の紹介状を書きましょう」と言われた。また別の病院では生育歴を尋ねられ「息子はまじめですが、つき合いべたで、友だちも少ない子でした……」と話すと、「それでは、治りませんね」と言われ、ショックを受けた。以後、一度も病院へは行っていない。入院ではなく、治療ではなく、家族の中で息子のつらさを柔げてあげたい。息子の心が見えるようになりたいと、強く思った。
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