連載「家庭内暴力」
"家庭内暴力”…まさか、それが自分の家族のなかに起こるとは思わなかった。家庭内に暴力が起こり、その嵐の中、夢中で過ごした日々のことをふり返ってみる。
息子は、中学の春、学校を休んではまた行くという生活になった。そのころから口をきかなくなり、激しく自分を責めた。自分の部屋の壁や物をガンガン叩いたり、食卓をひっくり返したりと、物にひどくあたるようになった。心配して話しかけても、「ほっといてくれ!」と言うばかり。途方にくれて、片っ端から、心理学やカウンセラー、不登校についての本を読みあさった。NPOの心理相談を受け、自宅にNPOの青年が来るという矢先、息子の暴力は家族に向けられるようになってきた。NPOの相談員から、「家族に暴力が出るようになった方への訪問はできません」と言われ、また暗中模索の日々が続いた。8月31日、担任から夏休みのようすについての電話があった。翌日の9月1日、息子は中学へ行った。朝5時に起き、遅れぬように制服を着、カバンを玄関に用意し、時間に家を出た。登校してくれてほっとしたが、息子は中学から帰って来ると、いきなり、何も言わずに私をボコボコに殴り、蹴った。私は体中砕けるような痛みと大量の鼻血でしばらく起き上がれないでいた。あとで話を聞くと、担任に廊下でなにかを言われたそうだ。何を言われたかはくわしく聞けなかったが、その日から息子は学校へ行っていない。
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