昨年夏、私は初めて北海道を訪れた。心地よく車を走らせていると、沿道で一匹のキツネを見かけた。たまたま一人だったので車をとめ、しばらくキツネのようすを眺めていた。
キツネはこちらを全力で無視しながら、草むらで何かをしていた。すると私のうざったい視線に気づいたのか、こちらにふり向き、鼻をフンフン鳴らした瞬間、サッと立ち去ってしまった。梅雨や台風の心配もなく、自然は雄大で食べ物もおいしい北海道にひそかに惚れてしまった寒がりの私は、「夏だけ北海道に住みたい」という大志を抱き、今日も「ロト6」という宝くじを買う。いまのところ、全戦全敗である。 (東京編集局・小熊広宣)
読者コメント