不登校新聞

219号 2007.6.1

第1回 大切なのは家族の理解

2015年03月26日 14:12 by 匿名
2015年03月26日 14:12 by 匿名


連載「家庭内暴力」


 2006年4月、愛知県のひきこもり更生支援施設「アイ・メンタルスクール」で入寮中の男性が死亡した。この男性が入寮させられたきっかけは「家庭内暴力」であった。10代も半ばを過ぎた子が暴れると、家具が壊れたり、家族だけでは抑えきれなかったりする場合もある。そうなると強い不安を感じる。この家庭内暴力をどう考えればいいのだろうか。今号から、実際に家庭内暴力が起きた家庭の方に執筆してもらう、リレー連載を始める。

 親の会に参加していると、子どもの家庭内暴力の話を聞くことがある。悩んでいるご家族の話を聞いていると、わが家もそんなことがあったなあと思い出す。今は医療に関わっている人が多いと感じる。自戒の意味を込めてわが家の息子と関わった3人の医師の話をしてみたい。

 現在24歳の長男は中学3年のとき、不登校となった。日々元気がなくなり、体の調子が悪いと昼間に寝込むことが多くなった。学校の物に触ると、じん麻疹がでるようになった。息子の症状は精神的なものかもしれないと感じた私は、神経科のI医師のところへ相談に行った。私が相談して楽になった気がしたので、息子にも勧めて連れて行った。I医師のカウンセリングを受けたとたん、息子はひどく機嫌が悪くなった。帰りの車中でもいらいらしていて、こわいような雰囲気だった。いっしょにいるのがためらわれるような気配を感じ、私は息子を一人居間に残し、庭で草取りを始めた。しばらくすると、大きな物音がして、あわてて家の中に入ると、息子が椅子の足でテレビやパソコンを殴っていた。窓ガラスもメチャクチャだった。何もかも嫌になって、こうするしかないという感じだった。それほど嫌だったのだとようやく私は気づいた。

 1週間後、息子はもう一度、I医師と話がしたいと言い張った。

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