不登校新聞

412号 2015/6/15

不登校なら“高認”は知っててもいい話

2015年06月18日 10:26 by motegiryoga
2015年06月18日 10:26 by motegiryoga



 「高校くらい出とかないとヤバい、でも行きたくない」と思っている人へ。知っておいて損はない情報がある。高校に1日も行かなくても高卒と同等の資格がとれる試験、その名も「高等学校卒業程度認定試験」(以下「高認」)だ。長ったらしい名前だが、要はこの試験に受かれば「高校を卒業した者と同等の学力がある」と認められ、大学や専門学校を受験することができる。合格証は英文発行もできるので、海外の大学を受験することも可能だ。また、履歴書にも書けるので、バイトや就職などにも活用できる。
 

どんな試験? 

 
 受験資格は「16歳以上」であることだけ。「試験」と聞くと難しく感じるかもしれないが、高認は「40点とれれば合格できる」と言われている。試験問題も高校1年生くらいまでの内容(文科省のHPで過去問が見れる)だ。つまりハードルはそんなに高くない。ネックなのは、英語と数学がやや難しいのと、受験科目が8~10科目と多いこと。しかし高認は年に試験が2回あり、一度合格した科目は試験を免除できる。数年かけて少しずつ合格していくことも可能だ。
 
 実際に受けた不登校経験者に話を聞いてみた。Aさんは17歳のころ、フリースクールでまわりの人たちが高認のための勉強を始めたと知り「すごくあせった」という。しかし高認を取れば、「こんな自分でも大丈夫になるんじゃないか」という期待から受験を決意。勉強は何年もしたことがなかったが、「40点取れば合格」「何回でも受けられる」と聞いて、「自分でもできるかも」と思ったという。実際、最初の受験で数学と英語以外は合格。その2科目も後に合格した。しかしその後進学することもなかったため、高認資格を使った場面はないそうだ。
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