前回に続き、私が過去に支援をした事例を通じて、助成金の活用を考えていきたいと思います。前回は助成金を用いた組織の発展の仕方として「事業」タイプをとり上げましたので、今回は「運営体制」タイプをとり上げます。
この「運営体制」タイプのキーワードは、「明確なゴールからの逆算」「申請相手を選ぶ」「集中的なとり組み」です。
まず、「明確なゴールからの逆算」についてですが、事業助成タイプとの大きなちがいは「体制構築」=事務局機能の強化を目指す。つまり、間接的に子どもへの影響があったとしても直接的には子ども向けの事業ではない、という整理をしておきましょう。たとえば「事業」タイプの場合、子ども向けのアート系体験プログラムの実施を通じて子ども自身がなにか得るものがあり、少しずつでも他者とのちがいを楽しんでもらうなど、子どもの内面性に関わるアプローチである分、効果があいまいな部分があります。むしろそうなってしかるべきかと思いますが、一方の「体制構築」タイプであれば明確な変化をつくりだすことができます。
明確な変化をつくりだす
たとえば、ホームページの構築、職員の支援策の構築など、具体的かつ明確な変化をつくりだすことを主眼にしたアプローチです。従って、12カ月間の事業期間終了後にどのような体制の構築をめざし、その体制ができあがることで、どのような点が「実施前」と異なり、その変化がどのように組織の活動全般に「いい変化」をもたらすのか、そしてそのためにどのようなとり組みが必要なのかを明確にしていく必要があります。
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