生身をさらして皮膚感覚で
思想家・内田樹さんにお話をうかがった。内田さんの不登校・ひきこもり観は示唆に富む。読者のみなさんからもぜひご意見をいただき、今後も考えていきたい。
――不登校・ひきこもりについてどう思いますか?(東京編集局・茂手木)
今の時代だとしょうがないんじゃないかな。僕が今の時代の子どもだったら学校に行ってないですね。つまんないから。
僕も高校を途中で辞めたんです。でもなんで辞めたのか、今でも理由がよくわからない。とにかく急に辞めたくなっちゃった(笑)。 一つには満員電車に乗るのがイヤだったんですね。何万人もの人が同じ電車に乗って、同じ方向に向かっていく。そのなかに自分がいるというのがガマンできなかった。これに耐えると生き物としてダメになる、ここはガマンしちゃいけない、そういう身体的な直感に従いました。でも今になって思えば、それでよかったんだと思います。
学校でも家でも人は衰える
ただ、僕は学校と家から「街へ出た」のであって、ひきこもったわけじゃない。
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