不登校新聞

417号 2015/9/1

息子の不登校、親子で前を向けたのは

2015年09月02日 11:20 by kito-shin



 6月28日「不登校生・高校中退者 保護者のための学校相談会」(主催/朝日エージェンシー、共催/全国不登校新聞社)が行なわれた。そのなかで、自身も不登校の子どもの親であるルポライターの北村年子さんが講演「不登校の子どもが一歩を踏み出すとき」を行なった。講演会の抄録を掲載する。

 みなさま、今日はお集まりいただきありがとうございます。北村年子と申します。
 
 私も不登校の親です。現在、23歳の息子が中学1年生のときから不登校をしました。たくさんのことを息子から教えられましたので、そのことをお話しできたらと思います。
 
 みなさんは、お子さんの不登校や進路で悩んでおられると思います。「うちの子はこれからどうなるんだろう」「私のどこがまちがっていたんだろう」と、自分を責めたり、ふりかえっては後悔したり、きっといろんなつらさを抱えていらっしゃると思います。でも、まず自分を責めることをやめてください。今日ここまで足を運んで、何とかしたい、何かつかんで帰りたい、そのエネルギーのすべては、お子さんを愛する一心からでしょう。まずそんな自分をほめてあげてください。子どもにとって一番つらいのは、自分のせいで親が泣いたり苦しんでいることです。子どもが苦しいときほど、ご自身を否定せず肯定してあげてください。そうでなくては、子どもを肯定することも受容することもできません。
 

"ホームレス”とは

 
 私は、ホームレス問題にも関わっていますが「Homeless」とは、本来「家のない人」を表すのはではなく「安心できる居場所のない状態」を指す言葉です。不登校になった理由は人それそれでしょうが、共通しているのは、その子にとって、学校の教室が、安心できる「ホーム・ルーム」になっていなかったということです。理不尽にいじめられたり、無視されたり、強制されたり、安心して自分が自分でいられないから、学校から避難したわけです。学校にホームがなくても、自分を生んだ親がホームとなってくれたら幸いです。自尊感情を守り、命を守ることができる。みなさん自身が、子どものホームであってもらうためにも、誰がなんと言おうと、この子はこの子で大丈夫、私は私で大丈夫、今そのままの価値を信じる勇気を、まずは親が自分に育ててください。
 
 いじめはどこの学校にもあり、国立教育政策研究所が小学4年生~中学3年生に調査した調査結果によれば、9割の子どもが、加害者、被害者を経験します。ずっといじめられる子と、いじめている子というのは、ほんの1割程度しかいません。つまり、いじめにまったく無関係で生きていける子は、ほとんどいないということです。
 

心の限界 体がストップを

 
 私も以前は、「みんな、どうしていじめをやめないの?」と思ってました。それを息子にいうと「お母さんはなんにもわかってない」と批判されました。「いじめをやめろなんて、死ねって言ってるのと同じだよ。だから僕が、いじめる側にもいじめられる側にもならないために、どれだけ大変な思いもしてきたか」と、話してくれました。息子や多くの子どもたちは、そういう教室のなかでがんばっています。ちょっとやそっとのがんばりでは耐えきれないほどがんばっています。でも、ある日突然、限界が訪れます。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「もう後ろはふり返らない」3人兄弟そろって不登校【母親手記】

191号(2006.4.1)

読者の声「手紙って」

192号(2006.4.15)

読者の声「頭が痛い父親問題」

192号(2006.4.15)

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

524号 2020/2/15

「なんもできませんが僕を貸し出します」というツイートが、瞬く間にネット上で...

523号 2020/2/1

本紙「子ども若者編集部」は2019年12月15日、イベント「不登校経験者が...

522号 2020/1/15

ふつうの学生生活を送りたいと言われて親は何をすればいいのでしょうか。函館圏...