不登校新聞

324号(2011.10.15)

高校無償化に伴う税負担増問題“不就学世帯のみ”対策なし

2013年05月30日 12:54 by kito-shin
2013年05月30日 12:54 by kito-shin



首相、文科大臣が答弁も、省内では検討ゼロ


 高校無償化にともなう税制改正により、税負担が増えた問題について、政府は通信制高校生などに対しては来年度、給付型奨学金を創設するなどの対策を実施する。しかし、中退者や学校に通わない"不就学世帯”には、なんら対応されておらず、来年度の対策も検討されていないことがわかった。

 今年9月27日、衆議院予算委員会で富田茂之議員(公明)が、高校無償化にともなう不就学世帯などの税負担増問題について質問。野田内閣総理大臣は「今年度末にはきちっとした対応策を決めていきたい」と発言した。
 
 しかし、文科省の高校就学支援室は、この問題について「なにも検討していない」とコメント。また「どこの課が担当なのかもわからない」とも話しており、不就学世帯の税負担増について担当課が不明になっていることもわかった。


 
 税負担増の問題は09年12月の政府税制調査会にて中川正春文科副大臣(当時)が「高校などに行かない人が1万6000人いる。いろんな事情があるなかでのことだと思う。負担については宙に浮かないように考えていかなければならない」と発言。中川正春氏は現在、文科大臣。
 
 また10年3月に参議院文教科学委員会で川端文科大臣(当時)がこの問題に浮いて「対策をとることを前提に検討したい」と答弁。10年度の税制改正大綱にも「適切な対応を検討します」と明記されていた。

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