休むことが唯一の処方箋
登校拒否・不登校の相談に出会って30年あまり。「子どもが学校を休んで何が悪いの」と、つねに疑問に思っていました。学校を休んで失うのは、初期は出席日数だけです。私が病院に勤めていたとき、お腹が痛い・頭が痛い・熱が出ると外来に受診し、からだの病気が見つからない子どもが心理室へ紹介されてきました。子どもの身体に症状が出るのは、学校のある日。登校時間めがけて症状が悪化し、休むと症状は落ちつきます。学校への拒否反応で体調を崩している心因性のいわば学校アレルギーでした。多くの子が学校を休めば元気を取り戻しました。でも、休んで元気になると親は「学校に行きなさい」と働きかけます。すると今度は別の症状が出ます。学校に行くと具合が悪くなるのは、原因が学校にあるからです。学校から離れることが、お金も薬もいらない唯一の有効な処方箋です。昔の子どもは休んで元気になりました。
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