今回は、編集部から企業にとっての助成事業や社会貢献活動とは「たんにイメージアップのためではないか?」と疑問を投げかけられたので、その視点について考えてみます。
この「イメージアップ」という文脈は、「本業の売り上げ増を狙った営業活動の一環としての社会貢献活動ではないか?」つまり「仮面をかぶった社会貢献」という疑念だと思われます。この指摘はおそらく90年前後の企業の「芸術文化支援=メセナ」活動に端を発しているのではないかと思います。
当時は、高額な美術品の落札や企業名を冠したオーケストラのコンサート開催などを通じて企業イメージの向上を目指す向きがあり、同種の活動は現在も継続されています。ただ、このメセナ活動も「企業の社会貢献」活動に含まれていますが、ほかの分野・活動もあるうちの一つという位置づけが多いと感じます。(社)企業メセナ協議会の2006年「メセナ活動実態調査」調査において、その目的を尋ねた質問では91%(複数回答)が「社会貢献の一環として」と回答しています。しかし、本稿の主眼である「子どもNPOへの資金提供」を実施している企業においては、この指摘はほとんど該当しないのではないかと、著者は考えます。
読者コメント