親の気持ち子の思い
正月に、ふだん無沙汰の親兄弟が集まった。それぞれが親の家を出て、すでにうん十年。生き方も価値観も、いささかオーバーに言えば思想もまったくちがっている。そういう人間たちが、なぜか正月には集まる。共通の話題もないし、いっしょに見るテレビもあまりにもくだらない番組が多くて、私はひたすら正月が終わるのを待つ。
今年はその"家族”のあいだでやけに盛り上がった話題があった。1月1日付新聞に報道されたが、テレビニュースはその前に報じていた「2歳児焼死、母スノボ」という事件だった。"家族”たちは「信じられない」「2歳の子をひとりで残して、よく遊びに行けたものだ」「このごろの母親は……」「いや、母親だけの問題じゃない、父親はどうしていたんだ」、カンカンガクガク――。
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