不登校新聞

626号 2024/5/15

「死のうとしたけど生きたかった」いじめにより不登校した女性が語る「生きることの意味」

2024年05月08日 13:18 by kito-shin
2024年05月08日 13:18 by kito-shin

 「いじめのせいで、自分の人生は壊された」。ライターのゆゆさん(32歳)は苦しかった学生時代をそうふり返る。しかし、今は毎日をおだやかに生きることができているという。ご自身の半生を書いていただいた(※写真はゆゆさんが撮影した花)。

* * *

本当は不登校になんかなりたくなかった。勉強もしたかったし、友だちといっしょに遊びたかった。受験勉強をして、高校へ行きたかった。でも、中学2年生、転校した初日から、悪意のあるいじめのせいで、自分の人生は壊された。

 下駄箱の靴は隠されて、机のメモ帳は盗まれる。授業中は消しゴムのクズを投げられる。苦しかった。自分が居なくていいように感じた。自分は居ても居なくてもいいんだ、と思ったら、死んでもいいような気がした。いじめられて人権を踏みにじられて、学校の先生も私を責めた。学校に居場所はなくて、逃げる場所もなかった。部活でもいじめられ、帰ったらぐったり。何もできなかった。

憎しみしかない  

 夏休み明けから私は学校へ行けなくなった。自分は居なくてもよくて、誰も守ってくれなかった。自分がなぜいじめを受けて、なんでいじめている人たちはあんなにひどいことができるのか。ぜんぜんわからなかった。私が苦しい思いをして、なんでいじめた人たちはふつうに学校に通っているんだろう? おかしくないか? 復讐を考えたこともあった。怒りがあった。ガマンをし続けて、自分だけが損している。生きているのがバカらしかった。学校に通えなくて、私の人生は詰んだと思ったし、いじめた人たちへの憎しみしかなかった。

 精神科の薬は合わない。ずっと症状がきつくて吐いていた。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「不登校から文科省職員に」異色の経歴を持つ藤井健人さんが目指すのは「不登校という格差」の是正

626号 2024/5/15

「親子関係は?元気になったきっかけは?」3人の経験者が語る私の不登校とその後

625号 2024/5/1

「40代で人生2度目のひきこもり」ひきこもり経験者が語るふたたび動き出すまでの出来事と気持ち

624号 2024/4/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…