不登校新聞

553号 2021/5/1

不登校経験者が聞く先生のホンネ「不登校、どう思っていますか?」

2021年04月28日 12:19 by kito-shin
2021年04月28日 12:19 by kito-shin


イラスト・伊藤歩

 2020年12月20日に開催されたオンラインイベント「不登校経験者と教員が本音トーク 不登校の悩み 先生の悩み」(弊社主催)のトーク内容を抄録する。当日は現役の学校教員2名と不登校経験者が対話した。不登校に対する教員の思いや、不登校経験者がしてほしかった対応などが語られた。(企画・子ども若者編集部、編集・茂手木涼岳、協力・本多寿行)

* * *

しょうた 本日の司会をつとめます、しょうたです。僕は小学校と高校で不登校を経験しました。さっそく先生おふたりにうかがいます。おふたりの担当するクラスに不登校の子がいたらどんな思いを持ちますか?

松永(仮名・以下、松永) 中高一貫校で教員をしている、松永です。僕のクラスに不登校の子がいたら、やはり「大丈夫かな」とか、「つらいのかな」と思いますね。「なんで学校へ行きたくないの?」と聞きたくなっちゃうと思います。でもそう聞かれても、苦しいときは言葉にするのも難しいですよね。だから、正直どうやってアプローチしたらいいか、迷います。また、「何かマズイことしちゃったのかな」と自分を責める気持ちにもなりますね。

みどり(仮名・以下、みどり) 小学校教諭、みどりです。不登校の子というのは、私にとっては忘れ物をしがちな子、人当たりの強い子などの、さまざまな子どもの状態のひとつです。それ自体をネガティブなものだとは思っていません。

 ただ、私も自分のクラスに不登校の子がいたら、やっぱり学校へ来てほしいという思いはあるので、「どうして?」と聞いてしまうと思います。答えてもらえるかどうかはわからないけれど、本人が抱えている問題が解決できるものであれば、力になりたいと思うんです。

さゆり 中学と専門学校で不登校を経験したさゆりです。私も不登校になったときに、先生に、「なんで来られなくなったの?」と理由を聞かれましたが、明確な理由なんて自分でもわからないから説明のしようがなかったんです。先生は理由があったほうが安心しますか?

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「不登校は育て方のせいじゃない」不登校の子を持つ親が余裕を持つために必要な2つのコツ

610号 2023/9/15

「めんどくさい」のがおもしろい 僕がひきこもりと事業をつくる理由【全文公開】

609号 2023/9/1

「もうすぐ9月1日がくる」樹木希林さんのバトンを受け取ったセラピストが子どもたちに見た希望【全文公開】

608号 2023/8/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

610号 2023/9/15

「親として余裕を持ちたい」。そう思っていても、忙しい日々のなか気持ちの余裕を持…

609号 2023/9/1

「はみ出してしまう人間のおもしろさが好き」と語るのは、従業員全員が若年無業者と…

608号 2023/8/15

「希林さん、お祈りしていて」。バースセラピスト・志村季世恵さんは女優・樹木希林…