不登校新聞

608号 2023/8/15

「息子の不登校が受けいれられない」正しい子育てと理想の母親像に縛られた私の葛藤

2023年08月09日 15:59 by kito-shin
2023年08月09日 15:59 by kito-shin

 藤本里見さん(仮名)は3人の子どものお母さん。しかし長男と次男は不登校を経験しました。「正しい子どもを育てなきゃ」という思いが強かった藤本さんは、子どもの不登校で自分にもバツがついたように思ったそうです。今では居場所スタッフとして働く長男に思うことなど、藤本さんとお子さんとの軌跡をお聞きしました。

* * *

――長男・新一さんが不登校になった当時のことを教えていただけますか?

 新一が不登校になったのは、中1のとき。きっかけは、夏休み、毎日のように部活があって、宿題が溜まってしまったことでした。8月末に徹夜で仕上げたのですが、いざ学校へ行くと宿題をやっていない子が多くて、みんなに「写させてよ」と言われ、イヤと言うこともできなかったようです。3学期には、誰もがめんどうくさがった学級委員に選ばれてしまったうえ、ふざけている友だちの輪に入ろうとすると、「学級委員はそんな遊びをしちゃダメだろ」とまわりから言われたりして。まじめで、なんでも真に受けてしまうから、からかわれやすいんですよね。そんなことが重なって「行きたくない」と言い出したのが、中1の2月。中2になって再び行き始めたものの疲れ切ってしまって、5月の連休明けからまったく行かなくなりました。

 苦しかったのは、私自身が新一の不登校をなかなか受けいれられなかったことです。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

2人のわが子が不登校「なぜ学校へ行かないの?」と母がたずねない理由

609号 2023/9/1

「よき子育ての圧がエグい」不登校新聞編集長が親になってはじめてわかった事実【全文公開】

608号 2023/8/15

不登校の子どものために休職した私がフルタイム復帰できた理由【全文公開】

607号 2023/8/1

読者コメント

バックナンバー(もっと見る)

610号 2023/9/15

「親として余裕を持ちたい」。そう思っていても、忙しい日々のなか気持ちの余裕を持…

609号 2023/9/1

「はみ出してしまう人間のおもしろさが好き」と語るのは、従業員全員が若年無業者と…

607号 2023/8/1

フルタイムで仕事をしていたななみさんは、小学1年生から不登校になった息子のこと…