不登校新聞

611号 2023/10/1

「ひきこもりが問題視されない社会を目指して」30年の歴史から考えるひきこもりのこれまでとこれから

2023年09月26日 17:16 by kito-shin
2023年09月26日 17:16 by kito-shin

 2023年3月に内閣府が公表した調査結果によると、15歳から64歳までの年齢層のうち、「ひきこもり」に該当する人が推計で146万にのぼることがあきらかになりました。その「ひきこもり」をめぐる30年の歴史を、当事者・臨床家・研究者の3者がふりかえり、「ひきこもりが問題視されない社会を目指すこと」についての議論をまとめた1冊を紹介します。

* * *

 「ひきこもりUX会議」共同代表の林恭子さん、精神科医の斎藤環さん、松山大学教授の石川良子さんが、「ひきこもり」の30年をふり返り、「ひきこもり」の未来について語る1冊を紹介します。

 本書ではまず、「ひきこもり」史を整理することから始まります。1980年代から現在にいたるまで、「ひきこもり」をめぐって報道された出来事、行政や市民にどのような動きがあったのか。また、その時々で出版された書籍などが、資料として巻末に一覧表で掲載されています。1980年代、「ひきこもり」は「登校拒否の長期化」として病理的に扱われた歴史があります。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「事実と実践に基づく就労支援」を根拠に「大丈夫、働けます」を伝える1冊

615号 2023/12/1

「理由を聞かずに味方になれていますか」医師・臨床心理士が問いかける「不登校に向き合うときにおとなが大切にしたいこと」

614号 2023/11/15

月会費や出席扱い率は?数字で読み解く、全国のフリースクールの今

612号 2023/10/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

615号 2023/12/1

今回は障害や気質によって髪を切るのが苦手な子どもに寄り添う「スマイルカット」の…

614号 2023/11/15

「学校や会社とつながることに必死だった」。今回は、不登校の子どもと親の会「Sw…

613号 2023/11/1

児童文学作家・こまつあやこさんのインタビュー。こまつさんは今年4月、高校を中退…