不登校新聞

621号 2024/3/1

14年の心理士経験を経てわかった「学校へ復帰するよりも大切なこと」

2024年02月21日 14:49 by kito-shin
2024年02月21日 14:49 by kito-shin

 小学生で不登校を経験し、現在は臨床心理士として活躍する伊藤かおりさん。14年間の心理士経験のなかで、不登校の親子に何度も会ってきたと言います。今回は不登校の親に伝えたいことを書いていただきました(※写真は伊藤かおりさん)。

* * *

私は小学生のころに、摂食障害をきっかけに不登校になった過去があります。そのため、不登校については、ひときわ大きな思いいれがあります。当時、精神科でカウンセリングを継続的に受けることができ、約1年後には学校へ行けるようになりました。このように心理的援助を受け、救われた経験から、中学生のころに「心理職を目指そう」と決め、現在にいたります。

 心理士として約14年間、行政、教育、福祉分野を中心に仕事をしてきましたが、どの分野で仕事をしていても、かならず不登校の子に出会います。また、元不登校の大学生や成人の方のお話を聞く機会も多いです。

 不登校経験者であっても、さまざまな経過をたどって、ご自身に合うスタイルを見つけ、社会のなかで生きている方と接していると感じることがあります。不登校の時期に大事なことは、かならずしも学校に復帰させることではなく、「どんな援助を受けるか、どれだけ子どものことを周囲が理解するか」だということです。

 そんな、元当事者でもあり、心理の専門職でもある私が、今不登校の子どもを持つ保護者の皆さんに伝えたいことがあります。

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