なぜ日本の「終戦」記念日は8月15日になっているのでしょうか。くりかえしマス・メディアを通してすり込まれてきた理由は、この日の正午に、昭和天皇ヒロヒトが、ラジオ放送で「終戦詔書」を朗読したからだ、ということになっています。
たしかに8月13日から14日にかけての御前会議で、大日本帝国に対して無条件降伏を要求したポツダム宣言の受諾を天皇が決定したことになっています。政府と統帥部のあいだで意見がちがった場合に、最終的に天皇が国家意思を決定するのが御前会議です。
しかし、ポツダム宣言がアメリカのトルーマン大統領、イギリスのチャーチル首相、中華民国の蒋介石によって発せられたのは7月26日でした。鈴木貫太郎内閣は「国体護持」、すなわち天皇制の存続、さらに言えば、昭和天皇ヒロヒトの太平洋戦争の開戦の責任を問わないようにする条件がないとしてポツダム宣言を「黙殺」すると発表しました。
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