不登校新聞

571号 2022/2/1

親が「休んでいい」と言ってもムリして登校する子の本音

2022年01月26日 15:27 by kito-shin
2022年01月26日 15:27 by kito-shin

 不登校気味の子のなかには、親が「ムリしてまで行かなくても…」と伝えているにも関わらず、「がんばって学校へ行こうとする子」もいます。そうした子たちがムリしてまで登校する背景にはどんな思いがあるのでしょうか。自らも不登校経験者で、現在は支援員の古豊慶彦さんが教えてくれました(連載「元当事者からの不登校対応マニュアル」第10回)。※画像はイメージです

* * *

 私には中学・高校での不登校経験があります。ときどきその経験を話してほしいと言われることがありますが、私自身は不登校の理由をはっきりと「これです」と言うことが今もできません。私のなかでは「学校という場所に合わなかった」という表現が一番しっくりきています。そのような経験からか、不登校支援に関わるようになったころ、私は「学校は命を懸けてまで行くところではないし、学校以外の場所で育つこともできるから、ムリして行かなくてもいい」という考えで活動していました。今でもその思いは変わりません。

 しかしこの仕事を続けていくなかで、一部の子どもは「こんなにも学校へ行くことを求めているのか」と思わされる事例にたくさん出会ってきました。そのなかで私は「ムリして学校へ行かなくてもいい」という考えとともに、「通いたいと思っている人がムリなく通える学校になっていくために何ができるか」と考えるようになりました。私自身の不登校経験から言えば、学校を休むということは、そのままラクになるということにはつながりませんでした。むしろ学校へ行かない日が増えるごとに、だんだん苦しくなっていったと思います。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

寝るでも逃げるでもいい、つらさを乗り切る「術」を見つけて

577号 2022/5/1

不登校の子どもの心が回復するために必要な3つの対応

576号 2022/4/15

不登校・ひきこもりの子どもと話をしたいと思ったとき

575号 2022/4/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

616号 2023/12/15

「1日15分から働けるカフェ」、愛知県春日井市のカフェ「ワンぽてぃと」では、社…

615号 2023/12/1

今回は障害や気質によって髪を切るのが苦手な子どもに寄り添う「スマイルカット」の…

614号 2023/11/15

「学校や会社とつながることに必死だった」。今回は、不登校の子どもと親の会「Sw…