不登校新聞

279号(2009.12.1)

映画評「Something Beautiful For God」

2014年01月15日 15:30 by 匿名
2014年01月15日 15:30 by 匿名


 2009年の大河ドラマ「天地人」の主役は直江兼続。その直江兼続が自身の兜の前立てにあしらったのが「愛」という一文字。ドラマは先月いっぱいで終わりを迎えたが、全国的にも大きなブームを呼んだ「愛」。その熱は、年をまたいでもまだ冷めないのかもしれない。2010年はその「愛」に一生を捧げた修道女、マザー・テレサ生誕100年にあたる年なのだ。

 しかし、だ。「愛」について語るということには、何となくこっぱずかしいというのが、正直なところだ。おのずと、「愛」を全面に押し出す演劇、映画などからは距離を置いてきた。そんな私が今回、紹介するのは、ピーター・シェーファー監督の作品『すばらしいことを神様のために~Something Beautiful For God』(69年・英国)である。いまからちょうど40年前、インドのコルカタにあるスラム街で東奔西走するマザー・テレサの取り組みを追ったドキュメンタリーだ。本作では「愛」についてはもちろんだが、「病」についても、興味深い指摘を述べている。マザー・テレサは1952年、「病」により路上で人知れず死にゆく者たちの最後を受けいれる場所として、「死を待つ人の家」を開設した。そこは治療などを行なう場所ではなく、文字通り、余命いくばくかの人々がその最後を多くの人々に看取られる場なのである。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

伝説の娼婦「ヨコハマメリー」【映画評】

195号(2006.6.1)

まんじゅうプロブレムが怖すぎる “今のPTA問題”をまとめた一冊

494号 2018/11/15

“「いじめ」と「いじり」の違いは?” 書評

208号 2006/12/15

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…