最近、取材をするなかで、「当事者研究」の第二次ブームが来ているな、と感じることがあります。ざっくり言うと「当事者が仲間や関係者とともに、自ら抱える生きづらさを研究者の視点で解き明かしていく」という試みのことです。扱うテーマも不登校、ひきこもり、大人の発達障害など多岐に渡ります。
 
 その走りが北海道にある「浦河べてるの家」、本書の舞台です。「浦河べてるの家」では統合失調症などの精神病を抱えた人たちが集まって「当事者研究」を続けています。また、日高昆布の販売をするなど、生活する場、働く場、ケアをする場という3本柱を軸に100名以上の当事者が暮らしています。
 
 最初に読んだとき、「引っ掛かり」の連続でした。だって『安心して絶望できる人生』というタイトルからすでに気になってしかたがない。誰だって絶望したくないからこそ、トラブルを事前に回避すべく、必死になるわけですから。


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