連載「ひきこもりの生涯設計」


 いよいよ本連載も最終回となりました。今回は「ひきこもりからの生涯設計」を建てるうえで大事な「心構え」をお伝えします。
 
 生涯設計を建てるうえでもっとも大事なこと、それは「現状を受けいれること」です。私たちが相談を受けてきたケースでは下記のようなことがありました。
 
 子どもの年齢は50代、就労も就学もしていません。日常、何をしているかと言えば、本人いわく「弁護士になるための試験勉強をしているのだ」と。しかし、この受験勉強、数十年に渡って続いていました。しかも、親が見るかぎりは勉強に集中しているようには見えず、親が勉強をするように注意をすると「ちゃんと勉強しているんだから」と怒ってしまう。就労については「試験に受かったらやる」と言っているそうです。
 
 親の推測としては「弁護士資格の取得だけが生きる存在意義になっているのではないか」と。長年、ひきこもっているからこそ、人生の一発逆転を狙う。しかし、そのハードルはあまりに高く、長い受験生活のせいで限界を超えた状態に突入してしまったのではないか、と。おそらくは親の見立て通りだろうと思います。ここまできて、本人が悪いとか、親がもっとサポートできたのではないかなどの話をしてもしょうがありません。とはいえ「そこまで来たら資格なんかよりも覚悟を決めたほうが…」と思えるのは他人事だからです。


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