2月24日、ロシア軍によるウクライナ侵攻が開始された。社会学者で雫穿(てきせん)大学代表の朝倉景樹氏は、ウクライナとロシア両国にあるフリースクール・オルタナティブスクール関係者に連絡を取り、双方の関係者よりメッセージが送られてきたという。突如として始まった戦争のなかで子どもたちはどうしているのか。日々のようす、両国民の思いなど、現地から届いた報告を掲載する(※写真はイメージです)。
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ウクライナ 現地からの声
今朝2回爆発があり、家々が激しく揺れました。子どもたちがいたので、パニックにならないように寄り添いました。でなければ、私がパニックに陥りかねなかったからです。そして、子どもたちの涙に対応するのに忙しかったのです。上空では飛行機の通過する音やロケットが飛んでいくような音を何回か聞きました。聞いたことのないとても不気味で背筋の凍るような音でした。大勢の人たちが道に出て安全な場所を探しています。ATMは動いていません。ガソリンもかぎられ、ガソリンスタンドには見たことのない長さの列ができています。
これが今の状況です。これからもっとひどくなるかもしれません。多くの家族が国内に留まるべきなのか、逃げるべきなのか迷っています。思い出の詰まった家を捨て、最低限必要なものだけを持って逃げるべきか。それは故郷を裏切ることになるのか、それよりも家族の安全をまず優先すべきなのか。しかし、私たちはどこへ行くことができるのか、生活はどうなるのか、支え合ってきた人たちと離れて生きていけるのか、わからないことがたくさんあるのです。(2月24日/ウクライナ・ビニツァ在住のフリースクール関係者/翻訳・朝倉景樹)
ロシア 現地からの声
ウクライナの大統領がロシア国民に反戦の意思表示を動画で呼びかけていました。たしかに、この戦争はロシア国民の総意ではありません。ウクライナにはウクライナ語を話す人もロシア語を話す人もいます。ソ連時代に一つの国であった時間も長く、人の交流も多かった両国です。おたがいにルーツを持っている人が多い両国です。
あるロシア市民は、今回の戦争について、こう言っています。「ほとんどのロシア市民はショックを受けています。昨日、科学者、俳優、映画監督、アニメーション監督、作家、ビジネスマンなどが公開抗議文を発表しました。ロシアの各都市で抗議集会が開かれ、多くの人が逮捕されました。オルタナティブスクールの関係者の1人も逮捕されました。ロシアがこの戦争を始めたと世界中は見るでしょう。しかし、市民は戦争を望んでいません。反対しています」。ウクライナやロシアの友人たちは、何が起きているのかを海外の人に知ってほしいと言っています。どうぞシェアしてください。(2月27日/ロシアのフリースクール関係者/翻訳・朝倉景樹)※一部、編集部が要約。
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