07年10月30日~11月1日、岩手県盛岡市で第48回「日本児童青年精神医学会総会」が開かれた。例年、総会にあわせて市民集会も開かれている。市民集会のようすを主催者に報告してもらった。
子どもの人権と精神医療を考える市民集会のようす
10月30日、盛岡市において、第5回子どもの人権と精神医療を考える市民学習会が開かれた(主催・子どもの人権と精神医療を考える市民の会/後援・NPO法人岩手県青少年自立支援センター)。例年、日本児童青年精神医学会総会とあわせて開催している。
今回のテーマは、「当事者サイドから考えるインフォームドコンセント」。講演、発表、討論が行なわれ、50名を超える市民が参加、切実なテーマだけに熱のこもった学習会となった。
第一部は、児童精神科医の高岡健さん(岐阜大学医学部准教授)の講演。高岡さんは「子どもにおけるインフォームドコンセントについて基本的に押さえておくべき視点は、医師と子どもとの共同作業として、子どもが情報を得て、理解し、選択(意見表明)できるまでのプロセスにある」と話した。
第二部は、当事者サイドから、東京シューレの奥地圭子さんが、大量投薬や強引な入院、電気治療などの過剰医療の問題や、不登校と医療に関するアンケート調査結果を発表した。また、筆者も若者の医療者に対する不信感、不適切な医療によって傷ついたケースなどについて報告した。
第三部では、医療サイドから、木村一優さん、太田順一郎さん(児童精神科医)、坂後恒久さん(小児神経科医)と、保健福祉サイドから氏家靖浩さんが加わり、会場参加者との質疑応答が行なわれた。大量服薬後、救急医療をたらいまわしされたケースなど深刻な事態が明らかにされたが、時間不足で議論を深めるにいたらなかったことが惜しまれる。(子どもの人権と精神医療を考える市民の会代表・木村衣月子)
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