不登校新聞

437号 2016/7/1

各党の不登校・ひきこもり政策【維新・生活・新党改革】

2016年06月30日 16:28 by shiko

おおさか維新の会の回答


■教育機会確保法案についての見解は?
 わが党議員も超党派議連に参加し、法案の趣旨に賛同して共同提出した。共産、社民が加わらなかったために、共同提出していた民進党まで先送りに転じて、継続審議となったのは残念である。不登校の小中学生が 12 万人にのぼるというのは、今の画一的で硬直的な学校制度が多様化した国民のニーズに応えられていないことを意味している。本法案は、多様な学び方を正面から認める契機になる法案であり、引き続き、成立を目指したい。

■不登校への必要な政策は?
 生徒・保護者に対して、学校に関する多様な選択肢を用意するため、教育に関する地方分権を進め、学校の設置・運営についての規制も緩和すべきである。

■ひきこもりへの必要な政策は?
 生徒のひきこもりについては、生徒・保護者に対して、学校に関する多様な選択肢を用意するため、教育に関する地方分権を進め、学校の設置・運営についての規制も緩和すべきである。

■9月1日をはじめとする「長期休み明けの子ども自殺」についての対策は?
 地方分権と規制緩和で、多様な学校ができる環境を整備するとともに、学校以外の場での学習を制度的に認めることを検討すべきである。

■学校外の場で育つ子へに必要な政策は?
 学校外の場での学習を正式な教育課程の一部として認めることを検討すべきである。

社民党の回答


■教育機会確保法案についての見解は?
フリースクールや夜間中学校等の多様な教育機会を確保すること自体は非常に重要。教育機会確保法案は、社民党も加わって超党派のフリースクール等議連・夜間中学等義務教育拡充議連立法チームで議論されてきたものであり、評価できる面は多いと考えている。しかし、不登校の当事者や親の団体などからは、本法案が実質的に不登校子どもの学校復帰対策になっており、心身ともに限界を迎え不登校という選択をしている子どもたちさらに追い詰めるものとなるのではないかとの懸念も出されている。当事者や関係者からも批判が示され議論が続いているなかで無理に制度化を急ぐ必要はない。様々な懸念を解消しながら、ていねいな立法プロセスをとり当事者にとって使い勝手のよい法律とするべきだと考えている。

■不登校への必要な政策は?
子どもは学校だけではなく家庭、地域社会など様々環境のなかで育っている。子どもが育ちやすい多様な環境を整備することが必要。学校に行かない・不登校という選択肢が子どもを守っている場合もあり、短絡的な学校復帰「対策」では解決しない。不登校の子が学校に行きたくない・行けない事情について原因を探り、学校の状況に問題があるならば改善するなどていねいな対応が求められる。まずは学校や地域のマンパワーの確保が大前提と考える。

■ひきこもりへの必要な政策は?
社会の実情を考えれば自分の世界に閉じこもりたくなるのはむしろ自然ともいえるが、社会的な動物である人間は孤立したままでは生きていくことができない。家族や学校、地域社会から余裕が無くなり、ひきこもった人を人の連関の中に呼び戻す働きかけが弱くなっていることが、事態を悪化させているようにも思われる。単純な処方箋はないが、当事者と同伴するねばり強い取り組みが必要であり、それを支える柔軟な制度が求められていると考えている。

■9月1日をはじめとする「長期休み明けの子ども自殺」についての対策は?
夏休みや春休みなどの終わりなど、生活環境が大きく変わりプレッシャーや精神的動揺が生じやすいタイミングは自殺が増える傾向があり注意が必要だ。長期休業の期間に合わせて、児童・生徒の見守りを強化し、相談に応じる体制を強化する必要がある。家庭や学校で子どもの微妙な変化を見逃さず、周囲に悩みを打ち明けやすい環境を作ることが望ましいが、必ずしも十分な態勢がない場合もあり、家庭・学校以外に相談出来る場を設けることが効果的ではないか。

■学校外の場で育つ子へに必要な政策は?
学校を否定するのではなく、また絶対化するのでもなく、多様な学びの一つとして相対化する発想が必要だと考える。学校を絶対視し、通学を強制することは良い結果にはつながらないのではないか。学校に行かない選択をした子どもにも教育を受ける権利を保障し、フリースクールや家庭学習への支援や、単位を認定する等の制度化などど、不登校でも学ぶことのできる仕組みを整備するべきだ。

生活の党の回答


■教育機会確保法案についての見解は?
 本法案については、必ずしも不登校の現状を踏まえた内容になっていないなど、現場にさまざまな反対意見も多く、そうした意見を踏まえて、慎重に議論を進めるべきと考えている。

■不登校への必要な政策は?
 不登校に必要な施策は、国がどんなことをしても絶対に不登校はなくならないという現実を見て、そうした時、子ども達の内面に光を照らしこれを理解した上で、既存の枠組みにとらわれない教育の機会を与えること。

■ひきこもりへの必要な政策は?
 ひきこもりについては長期化すればするほど、社会復帰が難しくなる。率直に言って解決が難しい事例が実に多い。まずは親族や当事者の相談体制を各自治体でしっかりと整備することが肝心である。

■9月1日をはじめとする「長期休み明けの子ども自殺」についての対策は?
 これまでの事案をしっかりと精査し、こうした子ども達が何を考え、なぜ最終的に死を選んだのかについて、心理学的な側面から徹底的に分析することが肝心である。子どもがそうなる前に気軽に相談できる学校内外の相談体制の充実・強化が鍵となる。

■学校外の場で育つ子へに必要な政策は?
 社会構造・家庭環境が複雑化している現代社会においては、教育の場も多様であってよい。どうしても学校に行きたくないという子どもについては柔軟に対応しても良いと考える。むしろ、そうした子どもたちが孤立感を感じるなど著しく不利益を被ることなく、一国民として社会に自然に参画できる仕組みを整えることが重要である。

新党改革の回答


■教育機会確保法案についての見解は?
 「学校に通っている」という状態を「正常」として不登校から「登校」へを目指す対策に限界がある。時間をかけて学校に戻る、学校とは別の場所で学びの場を探す等、多様な選択肢を認める考え方を支持する。

■不登校への必要な政策は?
 「学校に通わないこと」自体よりも、そのことで社会関係との断絶に直結する現状が問題。学区以外の地域も含め、子どもたちが地域社会における活動に参加しながら、人間関係や共同活動の経験を持つ機会をつくっていくことが大切。学校に行かなくても生きてはいけるが、人と関わらずに生きていくことはできない。人と関わる経験は学校以外でもつくれるはず。

■ひきこもりへの必要な政策は?
 一度ひきこもったことで、もう一度社会に出るための精神的、制度的ハードルが高い。ひきこもりで進学や就職の時期を逃した場合の再チャレンジ機会を社会のなかで増やしていく。

■9月1日をはじめとする「長期休み明けの子ども自殺」についての対策は?
 9月1日に学校に行かないということは、その一日を休むというのではなく、その後の学期、学年、進路など将来から取り残される膨大なプレッシャーがあると思う。鎌倉市の図書館司書のメッセージは共感を呼んだが、「死ぬほど学校がイヤならここにおいで、ここにずっといてもいい」と言える場所をつのり、8月から子どもたちに周知する。不乙校体験者の話を聞く場、「自分が一人ではない」と思える場を各地に用意する。

■学校外の場で育つ子へに必要な政策は?
 フリースクールの取り組みを評価する基準を審議し、義務教育委機関に準ずる補助金などを出す。義務教育と同じ費用負担で、フリースクールなどの学外の学びができるよう制度をつくる。自宅の学びも評価が必要だが、どこかで+α集団生活の体験を促す内容が求めらられるのではないか。

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