連載「酒場の支援論」


つまみの液状化が進んでいる。そばの出汁、おでんの出汁。残った煮汁。液体をつまみに液体を飲む。ほとんど流動食。いっそ点滴ですむかもしれない。しかし、それでは風情がない。

酔った頭で考える。2年ほど会社勤めをしていた。仕事はまったくできなくて、怒られて怒られて、しまいには怒られに会社に通っているような状態になって辞めた。それでつくづくわかったが、叱責には意味がない。その証拠に、あれだけ怒られて、結局仕事はできないままだった。

怒られるのはイヤなことで、イヤなことならまず避ける。「外勤に出る」や「連絡が取れないようにする」、「忙しいふりをする」、「休む」など回避する方法はいくらでもある。それが原因で怒られれば、よりバレない方法を考える。能力のすべてを怒られないことに注ぐのに、仕事をする余裕などあるわけがない。

同じ理由で罰も意味がない。たとえば会社に遅刻する。さんざん絞られ、「明日は遅れません」と言い終わるのも待たず、「遅刻したらどうする」と返される。どうすると言われたって困る。窮して黙れば、「昨日もそう言って遅れた。先週もそうだった。遅刻したらどうするか、ちゃんと決めて約束せよ」と畳み込まれる。

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