不登校新聞

247号(2008.8.1)

生命の声に応えるには… 伊藤書佳

2014年08月27日 15:03 by 匿名
2014年08月27日 15:03 by 匿名
 学校に戻ることを求められない「こどもの居場所」に、親から月謝を出してもらうことなく通える仕組みがあったらどんなにいいだろう。

 学校に行っていなかった10代のころ、そう思っていた。20年以上たったいまも、思っている。
 そうなれば、費用を捻出できない家庭の子でも、将来の役に立つかどうかもわからない所へお金を出すまでして通わなくていいという家庭の子でも、お金のかからない公立の学校がこどもの居場所だという家庭の子でも、そこを自分の居場所にできる可能性が生まれるからだ。

 本紙241号、242号の特別座談会で、奥地圭子さん、小沢牧子さん、芹沢俊介さんが語り合った「不登校をめぐる10年」を読み、不登校の当事者や不登校を応援する人たちの行なってきた市民活動によって、私の願望はもはや現実のことになりつつあるのだなあと、あらためてかみしめた。

 「学校信仰を問い直し、学校以外の場で育つ」ことができるのは、一部の恵まれたこどもたちで、大半の子は苦しい不登校を生きるのだと言われる状況が変わっていってほしい。

 また同時に、奥地さんが言うように「そもそもを考えたとき、学校自体を変えないといけない」と、私も思う。その変わる方向は、小沢さんが目指すべきと説く、「良質の託児所」(*1)であり、「とりあえずお前ここにいていいよという場」(*2)としての学校だろう。
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