府教委からは白紙撤回の声も
11月27日に投開票が行なわれた大阪府知事・大阪市長選挙において、「大阪維新の会」の幹事長・松井一郎氏、代表・橋下徹氏がそれぞれ当選した。同会が「大阪都構想」とともに今回の選挙公約に掲げたのが「大阪府教育基本条例案」だ。9月に提出され継続審議中だったが、今月15日に定例府議会が閉会するため、同会は今議会での可決を見送り、来年2月の可決・成立を目指すとしている。
9月に議会提出された「大阪府教育基本条例案」(以下、条例案)に、まず異を唱えたのが大阪府教育委員会だった。
現在、6名いる教育委員のうち5名は橋下氏が任命。「百ます計算」で知られる陰山英男氏(立命館大学教授)や算数教材「小河式プリント」がベストセラーになった小河勝氏(大阪樟蔭女子大学)などが名を連ねているが、条例の原案に賛同する委員は一人もいないのが実情だ。成立した際には、府出身で常勤の中西正人教育長をのぞく委員が総辞職するとの意向を示していた。府教委側は「選挙結果を受け止めつつ、内部で議論を重ねる」としており、知事ともじっくり話し合いたいとしている。
7日、府庁内にて松井一朗・新大阪府知事が教育委員らと会談。「実現不可能とする部分について問題提起してほしい」と求めつつ、条例案を土台として修正を図ると強調した。府教委からは「いったん白紙に戻してから再検討を」と求める声もあり、両者の歩み寄りには紆余曲折が予想される。
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