連載「ひきこもり時給2000円」vol.37


 前号まで、本連載の下に講演会の情報を載せてもらっていました。昨年は鳥取から、今年は香川、奈良、新潟と、遠方から講演のご依頼をいただいています。
 
 依頼の理由をお聞きすると、「不登校新聞の連載を読んで」とみなさん異口同音。いや、ありがたいですね。そして、「不登校新聞、すげぇな」と思います。「交通費だってばかにならないのに、自分なんかでいいのか?」と思う部分も正直あるのですが、「何かお役に立てるのなら」とも思うので、あちこち行かせてもらっています。謝金の額は問題じゃないです。
 
 いまはこうして、人前でしゃべる機会をいただいていますが、昔からこれができたわけではありません。中学生までは引っ込み思案な性格だったし、25歳でひきこもりから出てからも、人前でしゃべるなんてことはできなかった。人前に出るとか、発表するとかは、かなり苦手でした。ただ、「自分がひきこもった体験を人前で上手にしゃべれるくらいになりたいな」という気持ちは、わりと早くから持っていました。ブックマン社から出ていた『わたしがひきこもった理由』を読んだのがきっかけですね。この本に出てくる人たちみたいになりたいと思った。いや、より正確に表現すれば、「人前で話せるくらいに、自分の経験を整理したい」と思ったわけです。ひきこもりから出たばかりのころは、もうぐちゃぐちゃのスパゲッティーみたいに混乱していましたけど、それをどうにか整理して、言語化して、自分のなかで対象化したかった。


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