鬼頭作品に通底するもの 本質的な"優しさの視点”



 私が鬼頭莫宏作品と出会ったのは『ぼくらの』のアニメ放送であった。

 当時、抑うつ神経症をかかえながら必死で就職活動をしていた。当然ながら、顔色の悪い学生を雇う企業があるわけもなく、絶望的な気持ちで日々を生きていた。

 自分と重なる『ぼくらの』

 そんなとき、少年少女15人が、巨大なロボットに乗り、謎の敵と戦う。そして戦うと死ぬ、戦わなくても死ぬという逃れられない現実のなかで闘わされるというアニメを観た。

 『ぼくらの』は、当時、「戦う→就活する、内定取れずに落ち込む」「戦わない→否定はされない、しかし内定取れずに落ち込む」という自分の痛い現実とイヤというほど重なった。自分を重ねるようにどんどん惹きこまれた。


この記事は登録読者だけが閲覧可能な内容を含みます。続きを読むにはPublishers IDによる読者登録が必要です。