今年の現代歌人協会賞の受賞が決まった柳澤美晴さんの『一匙の海』を読んだ。学校の風景の一端を鋭く切り取った短歌には、深く胸に響くものがあった。

 傷ついてしまう子もいる一枚のガーゼ隔てて交わす言葉に/理科室の机の端に刻まれて「キエロ」の文字の白々と照る/昆布漁する生徒らにアルバイト届を書かす初夏の教室。


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