今年に入って、神奈川県川崎市で無差別殺人事件が起きました。その事件に触発されて、東京都練馬区ではひきこもる息子を父親が刺殺する事件も起きました。
ワイドショーでは、無関係な人の命を奪った犯人への憎悪が溢れる一方、息子を殺してしまった父親に対しては「無理もない」といった共感の声が上がっていました。
なんだか、ひきこもりの人たちへの世間の冷たい見方を感じました。子どもがひきこもり状態の親御さんのなかには、不安な気持ちですごしている方も多いと思います。
当たり前の行動
「こもること」は、傷ついたり、道に迷った人がたどり着く当たり前の行動だと思うのです。不登校の子たちや、就職がうまくいかなかった若者、家族と心ならずも引き裂かれてしまった人たちは、心を閉ざしたり、家にこもったりします。
私の長男も、かつて家からまったく出られなくなり、ひきこもりになりました。私も夫も、そのようすを不安に思い、一刻も早く外に出られるようにといろいろ画策しました。
でも、親が何かすればするほど、息子はますます自信を失い、家に閉じこもりました。
こもることを恐れなくていい
そのころ、佐賀県で西鉄バスジャック事件が起きました。2000年のことです。事件を起こした少年は、息子と同い年。
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