今回は、不登校経験者として『子どもたちが語る登校拒否』(93年刊/世織書房)に投稿し、現在は雑誌『フリーターズフリー』の編集にも関わっている栗田隆子さんにお話をうかがった。栗田さんから見て現在、「不登校」はどう見えているのだろうか。
――そもそもいつから学校に行かなくなったのでしょうか?
最初は中学校をサボるところから始まりました。両親が共働きなのをいいことに、ちょくちょく休みながら学校に通い続けていましたね。なので「体が動かなくて行けなくなる」というのは高校に入ってからです。いじめや感情的なものは中学生のときのほうがキツかったと思うんですが、「高校に入ったらなんとかなる」という漠然とした思いが支えていたんでしょう。高校に入ってすぐ、学校の制度や建物や雰囲気……、そういったものがあまりに変わらず、登校の意欲がガックリ落ちたことを覚えています。
――不登校体験は『子どもたちが語る登校拒否』に投稿してますね。
私は当事者として体験を話すのはイヤだったんです。それまで見向きもしなかった人が不登校をした途端「話を聞きたい」と寄ってくる。不登校を語る子ども自身は本心で語っているし、まわりも本当に共感しているのだろうけども、その子どもの声が自然と運動のなかに取り込まれていくような感じがイヤだったんです。ここは援助論、支援論にも関わる話ですが、そういう「不登校を支えようとする大人も信じられない」と思っていました。
だから、自分の意見を執筆できる『子どもたちが語る登校拒否』には投稿しました。けれども、10代のころの活動はあれだけですね。
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