全国の児童相談所が相談を受け対応した児童虐待件数が07年度、過去最多の4万418件(速報値)にのぼったことが、厚生労働省のまとめでわかった。90年の統計開始以降、過去最多だった昨年度より3295件上回った。統計を開始した90年には1101件だった相談件数は年々増加の一途をたどっており、相談件数1万件を超えた99年より8年足らずのあいだに、その4倍を超える結果となった。
相談件数の対前年度比を都道府県別に見ていくと、減少したのは福井県(0・75倍)▽島根県(0・88倍)▽長崎県(0・88倍)をはじめとする13府県。福岡県は全国で唯一100件以上の減少が見られた。逆に増加したのは、北海道(1・46倍)▽石川県(1・45倍)▽和歌山県(1・45倍)など34都道府県。なかでも神奈川県(924件増)と北海道(463件増)は大幅な増加が見られた。
児童虐待の相談件数が増えた背景には「社会的な意識の高まりなどが増加の一因だが、実際の虐待件数自体も増えているのではないか」と厚労省は見ている。
読者コメント