不登校新聞

448号 2016/12/15

どんづまりから見えた、もういいかな感【酒場の支援論】

2016年12月15日 11:51 by kito-shin
2016年12月15日 11:51 by kito-shin


連載「酒場の支援論」


 もっぱらビールと日本酒の話ばかりしているが、ホッピーも飲む。氷で割っては酒が薄まる。凍らせた焼酎で割るとよい。焼酎はキンミヤがよい。シャリシャリと凍ったキンミヤ焼酎にホッピーを注ぐ。これを称してシャリキンホッピーと呼ぶと教わった。
 
 酔った頭で考える。27歳で仕事を辞め、しばらく無職だった。好きなことなら務まるはずと入った古本屋は2週間でクビになった。収入がないなら切り詰めて暮らせばいいのに、前と同じかそれ以上に飲みに出た。「働いていない自分」「金に困っている自分」を認めたくなかった。
 
 当然、金は足りなくなる。公共料金の支払いが滞り、家賃が工面できなくなった。買い物はリボ払いですませ、それでも足りなくてサラ金で借りた。当座の家賃だけのつもりが、気づいたら50万円借りていた。
 
 返済はすぐに行き詰まる。人づきあいは極端に減った。「ふつうに」働いている知人と会うことに引け目を感じた。払拭するためには、彼らの及ばないような高収入を得るしかない。給与条件だけで仕事を探し、マルチまがいの会社を受けた。
 
 『きのう何食べた?』というマンガがある。
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