不登校新聞

383号 (2014.4.1)

第383回 圧倒された子どもの表現力

2014年03月28日 16:28 by kito-shin
2014年03月28日 16:28 by kito-shin



 2010年7月24日、東京都北区王子駅そばの「北とぴあ」を会場に、「東京シューレ25周年祭」が盛大に開かれた。
 
 子ども実行委員会は1年半前から集まっては企画検討していたし、親は毎月の保護者会の後で実行委員会を持ち、寄付集めなどにも積極的であった。企業からのまとまった寄付もとれ、①メインイベント、②子どもが外部講師を呼んでの講座、③25年をふりかえっての出版、④子どもの手による映画製作の4つを取り組むことになった。
 
 出版はスタッフ中心に取り組み、OB・OGに協力を得たが、あとの3つは、子どもたちの手で実現したものである。不登校であっても、いや不登校で学校に縛られていなかったからこそ、自分たちの文化をそこまで表現し、創り出せる力を持つまでになったとも言えた25周年祭だった。
 
 1つ目のメインイベントは、「北とぴあ」のつつじホールで5時間連続のステージ発表が行なわれた。おもなプログラムは「東京シューレ25周年の歴史」、王子・新宿・ホームシューレなど各部門の子どもたちのダンスや音楽研究などの発表、OB・OGシンポジウム、記念講演に汐見稔幸さんをお願いした。汐見さんは入院中だったが駆けつけてくださり、「子ども中心の教育」というテーマでイスに座ってお話しくださった。日本では「寺子屋」という庶民に広がった、子どもそれぞれのニーズや状況に合わせた教育が、明治政府により、近代化と富国強兵政策のため、強引に国家のニーズに変えられて今にいたる歴史と現在のフリースクールの可能性について重ね合わせ、希望が見える話だった。
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