不登校新聞

444号 2016/10/15

2つの事例から考える居場所の大切さ ひきこもり時給2000円

2016年10月14日 16:09 by kito-shin


連載「ひきこもり時給2000円」vol.38


 「とても豊かな世界だな。うまく言えないけど、なんだかとっても、居場所だな」。
 
 その番組を観て、僕は素直にそう感じた。「その番組」とは、NHKの「ドキュメント72時間」。毎週金曜日の夜にやっている30分番組だ。ある一つの場所に、3日間カメラを置いてみる。72時間のあいだ、同じ場所を見つめる。一見、退屈なように思えて、なかなかこれがおもしろい。僕は毎週録画予約をして観ています。
 
 その「ドキュメント72時間」。2015年5月15日放送回は、神戸の下町、兵庫区にある小さな駄菓子屋が舞台だった。10円玉を握りしめて、何を買うか真剣に考える女の子。共働きの親が帰ってくるまで店先ですごす男の子。夜になると、今は大人になった若者が、懐かしい時間に浸りにやってくる。そんな、昔ながらの小さなお店。現在93歳になるおばあちゃんの時代に店を始めて50年。娘と孫に受け継がれて、いまは孫の由紀さん(通称・ねーちゃん)が店を切り盛りしている。
 
 ある日の午後、中学生になった女の子が、ねーちゃんと話をしている。「学校がめんどくさい」と彼女は言う。いかにも毎日がつまらないといった浮かない表情。ねーちゃんに話しているのは、たぶん、親には話しにくい種類のものだろう。親にも先生にも聞かれないところで、本音を話す。
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