
冒頭から重たい話で恐縮なのですが、わたしが大学生だったとき、幼いころからの友人が自死で亡くなりました。その子は、今考えるとおそらく軽度の発達障害だったのだろうと思います。何かにつけて不器用で、学校で怒られることも多く、わたしから見ても自己肯定感の低い子でした。
しかし、その子は進みは遅くとも、一つのことに集中したときに力を発揮するタイプで、どちらかというと器用だけど飽きっぽく長続きしない性格だったわたしは、「将来はああいう人が大成するんだろうな」と、ぼんやりとうらやましく思っていました。
そんなことをわたしが考えていたなんてまったく知らないまま、非行に走るわけでも、ひきこもるわけでもなく、一見、健康に育つかたわら、その子の心は、何年もかけて死にむしばまれていたのでしょう。ある日突然、この世を去りました。
人の心の根底を支える自己肯定感と自尊心。それが育たないまま大人になることがこんな結果を招くこともあるのかと、そのとき、わたしはとても怖くなりました。
家族を亡くし大学に行けず
それだけでもきっとわたしの心はいっぱいいっぱいだったのでしょうが、それに加え祖父、祖母、弟に父と身内を短期間で立て続けに亡くし、精神面から体調を崩したわたしは、大学2年の秋あたりからだんだん学校に行けなくなりました。
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