①子どもの虐待問題
2017年8月に発表された厚労省の調査(速報値)によると、2016年度に全国の児童相談所が扱った虐待相談件数は12万2578件で、前年より約2万件増加して過去最高を更新した。児童虐待防止等に関する法律の改正で「児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力」(夫婦間DVなど)が子どもに対する心理的虐待であると明記されたことにより、警察からの通報が増加したことが件数増加の要因とされている。
子どもの虐待が統計にとられたのは1990年が最初であり、2000年にようやく児童虐待等の防止に関する法律が制定された。1990年の統計では年間1101件であり、2016年度の件数は約111倍にもなるが、その数字は虐待の増加を示すのではなく、家庭などで虐待を受ける子どもが発見、認知されるようになったと見るべきで、子どもの視点からはむしろ良い傾向ということになる。真に子どもの視点に立って、保護から自立支援への切れ目のない支援のシステム構築や孤立した家庭での孤独な子育てに陥っている親への子育て支援の拡充が求められている。
②学校の暴力
学校教育の場における子どもへの暴力として教職員による体罰、パワーハラスメントの実態は正確に把握されないまま温存されている。
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