前回の宿泊治療施設反対の声をあげたのもその一つであるが、90年代に入り、子どもたちは生じる問題について声をあげ、行動し、どんどん積極的になっていった。
90年初夏、兵庫県で校門圧死事件が起きた。一人の女子中学生が、まもなく授業開始というとき、校門へ駆けこんできたのだが、門のところに立っていた先生が、鉄扉を閉めたのである。
扉の幅3~4メートルもある大きな重いものであり、扉はレールの上を勢いよく走り、ちょうど門に入ったその女子生徒は、コンクリートの鉄柱とスピードのついた鉄の塊に挟まれ、頭蓋骨が破裂し即死だった。
先生は誰が遅刻するか見張りをするための立ち番で、その女生徒が走ってくるのを見ていたにもかかわらず、思いきり閉めたのだった。
そして、さらに衝撃を与えたのは、その日はテストの日で、子どもが亡くなったというのに、平然といつも通りテストが行なわれたことであった。
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