不登校新聞

507号 2019/6/1

兄弟そろって不登校になったので、毎日が不安でたまらなかった

2019年05月28日 12:11 by kito-shin
2019年05月28日 12:11 by kito-shin

 2019年4月21日、「登校拒否を考える会」35周年を記念するイベントが東京都北区で開催された。プログラムのなかから、不登校の子どもを持つ親が登壇した「親が語る登校拒否・不登校」のシンポジウム抄録を掲載する。わが子の不登校をどう受けとめたのか。その際、自分にとって親の会はどんな場所だったのか、3人の母親が語った。

* * *

 5年ほど前から「登校拒否を考える会」に参加しています。現在、18歳になる長男が学校へ行かなくなったのは、中学1年生の終わりごろでした。

 学校から帰ってくるなり、床に倒れ込んで泣き始めたんです。「板書も一所懸命がんばっているのに授業についていけないし、イヤなことばかり次から次へとさせられる、もうイヤだ」と。

 私は当時、「学校へ行かないなんてもってのほかだ」と思い込んでいたので、昼夜逆転し、ゲームばかりしている息子の姿が不安で仕方ありませんでした。

 しかも、血が噴き出すなど、目を背けたくなるようなゲームを夢中でやっているものですから、なおさらです。

 夫も「学校へ行かなければダメになってしまう」と思ったのか、息子に通信講座のテキストを買い与えるなどしたんですが、かえって長男を追いつめてしまいました。

 部屋の壁には穴があき、食器をテレビに投げつけるなど、荒れるようになってしまったんです。

“直そう”は今の姿の“否定”

 親の会に参加していると、「私のなかのあたり前」がくつがえる瞬間があります。

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