不登校新聞

507号 2019/6/1

ひきこもりは自己治療説【仮説なんですが】

2019年05月28日 12:09 by kito-shin
2019年05月28日 12:09 by kito-shin

連載「仮説なんですが…」vol.33

 現在、私は金沢市にあるフリースクール「ワンネススクール」のスタッフをしながら、同じ建物内でひきこもりのシェアハウス「洗心庵」を管理運営し、男性5名、女性2名の計7名で暮らしています。

 このシェアハウスの理念は「少しの豊かさと、心の平穏」です。赤の他人が同じ屋根のもとで暮らすことは、気になることもたくさんあります。

 ただ自分の身のまわりのことと炊事、洗濯と家賃さえ払えば好きなだけひきこもることができます。

 みな似た者どうしだからか居心地は悪くありません。とても静かでお風呂もトイレも重ならず、顔もあまり合わせません。ここはいろいろな支援もしません。

 周囲がすることは構わず放ったらかしにするだけ、安心してひきこもれるように工夫するだけです。

 そんなシェアハウスをやってみて見えたことがあります。ひきこもるという行為は、自分を守り、自分の心の傷を自分で治療している行為ではないか、と。

 それが今回、私が唱えたい仮説「ひきこもりは自己治療説」です。ひきこもると人は社会と距離を置きます。ときには家のなかにいながら家族とも距離を置きます。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

自虐ネタで幸せになれない、ふたつの理由

555号 2021/6/1

働くことがずっと怖かった私が見つけた「楽しく働くための条件」

554号 2021/5/15

やりなおしがきかないのは「歯」、5年ひきこもった経験者の実体験

553号 2021/5/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

625号 2024/5/1

「つらいときは1日ずつ生きればいい」。実業家としてマネジメントやコンサルタント…

624号 2024/4/15

タレント・インフルエンサーとしてメディアやSNSを通して、多くの若者たちの悩み…

623号 2024/4/1

就活の失敗を機に、22歳から3年間ひきこもったという岡本圭太さん。ひきこもりか…