2016年夏。法案審議は止まった状態のなか、「不登校に関する調査研究協力者会議」の最終報告が出された。
本欄では今、これを紹介している。国の会議が出すこの最終報告は重要で、これまでも、1992年、2002年と国の不登校施策の根幹を決めてきたと言える。文科省といえども、最終報告にもとづいて動いていくのだから。
第1章・2章は、不登校の現状と実態について述べている。「要因、背景は、多様化、複雑化している」「実態把握が非常に重要で、適切になされないと必要な支援につながらない」「担任のみならず、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等が把握、児童生徒、保護者等と話し合って、支援策を決定する必要がある」とする。
第3章は「不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方」が述べられている。
支援の視点は、今回、学校復帰とは書かれていない。支援は社会的な自立を目指して行なわれることが必要で、不登校の時期が「休養」や「自分をみつめ直す等積極的な意味を持つ」と述べたあとで、一方で「学業の遅れや進路選択上のリスクも存在する」と記している。
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