不登校新聞

590号 2022/11/15

【全文公開】不登校が過去最多の24万人超 最新の調査結果から読み解く不登校の現状

2022年11月15日 09:59 by motegiryoga
2022年11月15日 09:59 by motegiryoga

 文科省が発表した調査結果により、2021年度の小中学生の不登校は約24.5万人であることがわかりました。前年度より大幅な増加、20万人越えは初めてです。「不登校の要因」やいじめの認知件数なども含めて、解説します。

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 文部科学省は2022年10月27日、「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表した。2021年度における小中学生の不登校数は24万4940人。前年度から4万8813人(24・9%)の大幅増となった。20万人を超えたのは初めて。内訳をみると、小学生の不登校は8万1498人で前年度比1万8148人増、中学生の不登校は16万3442人で前年度比3万665人増、ともに過去最多。児童生徒1000人あたりの不登校数は小学校で13人、中学校で50人となった。

 また、自宅におけるICT等を使った学習(パソコンやタブレットを使った自宅学習)により、指導要録上出席扱いとなった児童生徒数は1万1541人(小学校4752人、中学校6789人)。前年度比8915人増と大幅に増えた。なお、前年度よりあらたに調査項目に加わった「新型コロナウイルス感染回避による長期欠席者」は5万9316人(小学校4万2963人、中学校1万6353人)。前年度比3万8411人増となった。

 文科省は不登校増加の背景として「児童生徒の休養の必要性を明示した教育機会確保法の趣旨の浸透」、「新型コロナウイルスによる生活環境の変化」、「コロナ禍のもと学校生活においてさまざまな制限があるなかで、登校する意欲がわきにくい状況」などが考えられるとした。

不登校の要因は

 不登校の要因について、児童生徒本人の「無気力・不安」がもっとも多く49・7%、次いで「生活リズムの乱れ」11・7%、「いじめを除く友人関係」9・7%と続く。要因としてもっともすくないのは「いじめ」で0・2%だった。

 「不登校の要因」は学校教員が回答しているため、実態に即していないという批判がかつてよりある。子ども本人からヒアリングした「不登校児童生徒の実態調査」(2021年、文科省)では、不登校のきっかけとして「いじめや嫌がらせがあった」と回答したのは小学生で25・2%、中学生で25・5%だった。今後、調査のあり方自体を見直す必要もあるだろう。

いじめ61万件

 同調査ではいじめの認知件数も報告された。2021年度のいじめの認知件数は61万5351件。前年度比9万8188件(19%)の増加となった。いじめがもっとも多かった学年は小学2年生(10万976件)、次いで小学1年生(9万6142件)、さらに小学3年生(9万4781件)と続くなど、小学校低学年で顕著だった。また、いじめの重大事態の発生件数は705件。前年度より191件増加した。

 児童生徒1000人あたりのいじめの認知件数は全国平均47・7件。もっとも多い県は山形県(126・4件)、もっともすくない県は愛媛県(12・8件)と、およそ10倍のひらきがあった。文科省としては、いじめの認知件数が多い学校について、「いじめを初期段階のものも含めて積極的に認知し、その解消に向けた取り組みのスタートラインに立っている」と肯定的に捉えている。

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 不登校の大幅な増加を受けて思うことがある。そもそも、不登校は問題ではない。不登校で子どもや親が苦しんでしまうことが問題であり、不登校を問題視する社会が問題なのだ。不登校の要因を本人の「無気力」に帰しているかぎり、社会は変わらないだろう。苦しむ当事者や家族をどう支援するか、今後も文科省や教育行政の動きを注視していきたい。同時に私たちは、不登校で苦しんでいる人に安心を届け、「不登校はあなたが悪いのではない」と、紙面を通してこれからも伝え続けていきたい。(編集長・茂手木涼岳)

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