不登校新聞

600号 2023/4/15

「遅刻するくらいなら休む」 完璧主義の息子の不登校を見守り続けて

2023年04月10日 15:26 by kito-shin
2023年04月10日 15:26 by kito-shin

 高校生の長男と小学生の次男・三男、3人の息子がみな不登校を経験したという橋本絵美さん(仮名)。迷いと葛藤のなかで3人の息子を育てました。最近の悩みは受験生の長男が過去の不登校経験を全否定していること。「息子を信じて見守りたい」という橋本さんに、お話を聞きました。

* * *

――3兄弟のなかで長男・大吾くん(仮名)が最初に不登校になったのですね。当時のことを教えていただけますか?

 朝、「学校へ行けない」と泣きわめくようになったのは、中1の5月でした。まじめで完璧主義、0か100かで考えがちなタイプな長男は、たとえ理由があっても「遅刻するくらいなら休む」と言ったり、内申点を気にするあまりノートまとめに時間をかけすぎたり。中学生になって急にしなければならないことも増えて、きつかったのでしょうね。

 初めての中間テストは、泣きながら行きました。当時、友だちからのいやがらせもあって、それが不登校の直接的なきっかけになったのかもしれません。でも、先生があいだに入って解決してくれたあとも学校へ行けませんでした。もう、いっぱいいっぱいだったのでしょう。そんなようすを見て、わりとすぐに「しばらく学校を休ませよう」と決めました。勇気のいる決断でしたが、体まで壊してしまったらたいへんですから。でも、「一度休んだら、どんどん堕落していくのでは」という親としての葛藤はずっとありました。

 それからしばらく大吾は、ソファでぐったり横になって、ユーチューブを観たりゲームをしたりしていましたね。でも、3カ月ほどたったころから、すこしずつ変化が見えてきたんです。

この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

「なんとかなると知っていた」娘の不登校に母があわてなかった理由

604号 2023/6/15

「子どもの信頼を得る」 子どもの話を聞く際に大事にすべき4つのポイント【全文公開】

604号 2023/6/15

「母ちゃん、ひま」小3の息子に訪れた、一歩を踏み出すサイン【全文公開】

599号 2023/4/1

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

604号 2023/6/15

「傾聴」という言葉をご存じですか?話をただ聞くのはなく「傾聴」することで、相手…

603号 2023/6/1

「お寿司最高かよ」。このキーワードを提唱したのは児童精神科病棟で働く「子どもの…

602号 2023/5/15

親が不登校について学ぶこと、親が元気になること、人に頼ること、そして子どもを信…