不登校新聞

283号(2010.2.1)

Q&A「強迫性障害の対応」

2013年12月10日 16:53 by kito-shin
2013年12月10日 16:53 by kito-shin


 今回は、前号に掲載した内容に対し、森英俊さんが回答を執筆しました。質問内容の概要は以下の通り「強迫性障害と思われる13歳の息子のことで悩んでいます。頻繁に手洗いをしたり、トイレとその後のシャワーは4~5時間もかかったり。息子は自身の力で治りたいと思っています。なにかアドバイスをお願いします」。

 不登校の子どもによく見られる強迫性障害には、さまざまな背景があって、一概に謎解きをすることはできませんが、子どもがそこまでの強迫行為を繰り返すという意味は、それなりの深い不安があるからだろうと思われます。もともと、子どもの強迫性障害に多く見られる手洗いなどは、家族や周囲の人たちを症状の中に巻き込むという特徴が知られています。とりわけ母親に対して、くり返し同じ行為を確認させたり、自らの強迫行為を見てくれるように求めたりする傾向が多いようです。母親の行動が子どもの指示通りでなかったり、要求がきちんと受けいれられないような場合には、不安や焦燥感が強くなり、強迫行為がエスカレートすることもよく知られています。

 また小学校のときから不登校になり、地元の子どもの居場所ですごされたようですが、中学校に進む年齢になるまでに仲間とか兄弟姉妹の誰かに大きな変化はなかったでしょうか? ときに、今まで不登校の仲間と考えていた人が急に学校復帰をしたり、進学や就職などをしたときに、何か自分だけが取り残されたような気持ちになって、自分を責めたり、自信を喪失して、急激な自己否定感や自己嫌悪感を増して、強迫行為がよりエスカレートする場合があるようです。

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