08年3月2日、成田ゆめ牧場で行なわれた「第8回全国穴掘り大会」。子ども編集部として参加するとともに、穴掘りに夢中になる人間模様を追った。
穴掘り大会に参加するにあたって、子ども若者編集部ではすぐさま有志をつのり、どうやったら、穴を深く掘れるかを本気で話し合った。というのも、優勝チームには、金のスコップと賞金10万円がもらえるというのだ。しかも、賞金はすべて5円玉と50円玉で贈られる。うーん、ほしい。しかし例年、優勝候補のチームはドカタの人たちだ。参加者のなかには1人で掘って上位に食い込む強者もいるらしいが……。
穴掘り大会の場所は千葉県成田市にある「成田ゆめ牧場」。当日は最寄り駅に9時半に集合した。
駅が近づくにつれ、畑と雑木林、ときどき家という車窓を背に「遠いところにきたな」と感慨にふけるとともに、ここなら穴を好きなだけ掘れるなーなんて思ってしまった。こういう心情を私は「掘人」と命名したい。
会場となる成田ゆめ牧場に到着したのは10時前。しかし、牧場には明らかに似つかわしくないニッカボッカ姿に、ヘルメットをかぶった人がズラリ。戦隊ものの格好をした人や自衛隊のコスプレ、カエルのきぐるみを着た子どもいた。牧場に来るにはもっとも適した格好だと思われるジーパン姿のぼくらは、アウェーの空気をぞんぶんに感じた。
受付、区画抽選、用具チェックを済ませると、軽トラの上から拡声器。何ともユルイ開会式が始まった。光景はさながら建設現場であり、なかには朝10時から缶チューハイで酔っぱらってる人も。今回は協賛会社から、桐箱に入った本家より立派な金のスコップが優勝チームに贈られることが告げられると、会場全体がどよめき、スコップに大の大人たちが群がった。人はスコップだけで、こうも盛り上がれるのだ。
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