フリースクール等検討会議が「中間まとめ」を発表するまであと2カ月。フリースクール等関係者が、いま一度、考えるべき点はなんなのか。ぜひ本紙に意見を寄せていただきたい。今回はNPO法人フォロ事務局長の山下耕平さんが執筆。

 文科省「フリースクール等に関する検討会議」、超党派の国会議員による「フリースクール等議員連盟」など、フリースクール支援政策について、具体的な動きが出てきている。いずれも、具体的な支援方法としては、教育バウチャー制度の可能性が示されている。また、国会においても、2月18日、柴田巧参議院議員(維新の党)が「低所得者層への教育支援策として、教育バウチャー制度の導入を本格検討すべきではないか」と質問したのに対し、安倍首相は「教育分野におけるバウチャー制度は、子どもや保護者の選択肢の拡大、低所得世帯の学習機会の充実といった観点から傾聴に値する意見だ」と述べている。
 
 低所得層が利用できるバウチャーとしては、大阪市が2013年12月から「塾代助成事業」を開始している。これは月額1万円までのクーポンを発行し、塾やスポーツ・文化施設などで使えるというものだ(フリースクールは対象外)。利用できるのは就学援助の認定を受けているか生活保護の受給世帯で、2014年8月現在で登録者数は8026人(想定人数の40%)、登録事業者は1227教室となっている(このうち学習塾が1066教室)。塾代助成事業の名前の通り、基本的には塾代を補填する制度となっている。しかし、学校外の教育バウチャーという意味では、先行事例となっていると言えるだろう。
 

考えたいポイント

 
 ここで、フリースクール支援策と教育バウチャー制度について、いくつか考えておくべきと思うポイントを、とりいそぎ記しておきたい。
 
●施設への助成ではないという点で、支援対象(フリースクールなど)への線引きがゆるやかにすむ可能性がある。
 
●そのぶん、塾などとの区分はつかず、教育産業が「フリースクール」に参入してくる可能性は高い(フリースクールの高等部においては、サポート校を併設するケースが増えており、すでに相似した状況はあると言えるだろう)。
 
●結果、NPOなどで活動しているフリースクールへの助成よりも、義務教育の市場への委託となる可能性がある。
 
●教育費の使途について、主権が家庭にゆだねられるというのは、「選択の自由」を担保するものである。それは学校に対する当事者主権という面もある。
 
●しかし、その主権は保護者にあって、子ども本人ではない。
 
●保護者のニーズと子どものニーズは、一致しないことも多い。
 
●保護者の側ではなく、子どもの側にどれだけ立てるのかが、フリースクールなどに問われてきたことだろう。
 
●フリースクールが、塾などと並んで保護者に選択されるものとなったとき、フリースクールは市場に淘汰されるものとなる可能性がある。

献金疑惑問題

 
 一方で、下村博文文科大臣の献金疑惑が取りざたされている。2004年、構造改革特区で公設民営学校が導入された際にも、背景に塾業界からの献金があったとの指摘がある(3月10日衆院予算委で宮本岳志議員/しんぶん赤旗2015年3月11日)。事実であれば、利益誘導政治と批判されてしかるべきだろう。「フリースクール支援」の動きも、下村大臣が主導してきたものだ。フリースクールには「献金」できるような団体はひとつもないだろうが、関係者は、この問題について、きちんと考えておくべきだと私は思う。
 
 ほかにも、いろいろ考えるべきことはあるように思うので、ご指摘いただきたい。(山下耕平)