
彼岸の入りを前にして母を亡くした。私の子ども時代、学校に行かない時期をもっとも心配してくれ、苦労をかけたのが母であった。
母親になるということは、まず乳飲み子である赤子を大切に育てる大きな役割がある。看護師という仕事を持ちながらよく育ててくれたと感謝の気持ちでいっぱいになる。今となってはもう恩返しもできなくなってしまった。
「親の恩は代々送りになるからあえて返そうとしなくてもいい」と言う宗教家もいるが、やはり彼岸などにお墓参りをすると、考えさせられたりもする。子どもはその親の姿を見ながら、また自分自身も親への見送り方を考えていかざるを得ない。
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