本書は「家庭」「学校」「法律・制度」の3部構成からなり、各分野で活動している大学教授・弁護士・NPO関係者ら16名が子どもの直面する困難さ、その際に何が支えとなるのか、について論考を寄せています。編者を務めたのは、憲法学者で首都大学東京教授の木村草太さんです。
貧困、虐待、LGBT、保健室など多岐に渡るテーマのなかで、私が注目したのは、第9章「指導死」です。あまり耳なじみのない言葉かもしれませんが、端的にまとめるならば「学校内の生徒指導をきっかけとした子どもの自殺」のことを指します。同章を執筆した大貫隆志さん(「指導死」親の会共同代表)は「教員の生徒指導によって子どもが自死に追い込まれてしまうことは、学校内における最大の人権侵害」であると指摘しています。
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